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少女が一人…
風を受けている
その姿はまるで
羽の生えた鳥のようだ…
少女は手を広げ風を受け続けている…
とても不思議な光景に見える…
そして少女は一言…
「にはは」
少女はこの夏最初で最後の夢を見る…
かぜ〜wind〜
ジージージージー
セミの声がうるさいくらい鳴り響いている。
ジージージージー
セミの声はずっと鳴り続いている。
「あぢ〜…」
一人の少年が道を歩いてきた。
少年の服の色は黒いく余計暑さを感じさせていた。
アスファルトは熱を持っていて暑さを増していた。
「なんでこんなにあぢ〜んだ…」
「往人さんさっきからそればっかりしか言ってないよ…」
「しかたね〜だろあぢ〜んだから。」
「熱い熱い言ってるから熱くなるんだよ。」
少年の隣にいた少女はぶつぶつ愚痴っている少年に言っていた。
「お前は熱くないのか?」
「うん、観鈴ちんなれてるから大丈夫。」
観鈴といった少女はにこっと笑って答えた。
観鈴は往人の前まで行くと…
「往人さん…今日は何をするの?」
「ん?いや…特に決めてね〜けど。」
「うんとね…それじゃね遊ぼ。」
往人は目を丸くして少し固まった。
そして…
「は…なんで遊ばなきゃなんねんだよ。」
「だって…往人さん暇なんでしょ? だったら遊びたいな…」
観鈴は少し寂しげな顔をして往人に言った。
往人は少し困った顔をして。
「ダメだ…」
「が、がお…」
ぽかっ
「イタイ…どうして殴られなきゃいけないのかな?」
「晴子にお前がその口癖言ったら殴れって言われてんだよ。」
「そんなこと真に受けなくていいのに…」
観鈴は少し涙目で往人を見ていた。
「どうしてもダメ?」
「ダメ…オレはこれから仕事だ。」
「一緒に言っちゃダメ?」
それでもなお観鈴は往きとにくいついた。
「それでもダメだ…それにお前学校はどうした。」
時刻は朝の8時15分だった。
「まだ少し時間あるから…」
観鈴は学校と往人を交互に見て答えた。
ふたりはそのまま黙った状態になってしまい…
キーンコーン カーンコーン
学校のチャイムが鳴ってしまった。
「あっ…始まっちゃた…」
「どうすんだ?」
「休み時間に入ってあたかも一時間目からいました〜ってかんじで座ってるの。」
「ばればれだろそんなの。」
「大丈夫わたし存在感ないから。」
そういって観鈴は防波堤の上に登った。
「落ちるなよ。」
「にはは…大丈夫だよ。」
観鈴はにっこりと笑ってこっちを振り向いた。
どてっ
そのひょうしに足を滑らせてこけた。
「ったく…おい大丈夫か観鈴?」
往人は急いで防波堤の上まで行き下を見下ろした。
案の定観鈴はこけて砂まみれになってた。
「イタタ…大丈夫だよ往人さん…」
観鈴は笑っていたが涙目になっていた。
「ったく…ほら手かせ。」
行人は手を差し出した。
観鈴が自分の手に手をかけるとぐっと観鈴を引き上げた。
「だから言っただろ、気おつけろって。」
「が、がお…」
ぽかっ
「イタイ…なんで痛い目にあってさらに痛い目にあわなきゃいけないのかな?」
そういいながらも観鈴は行人の隣に座った。
「私ね夢を見るの…」
観鈴はいきなりしゃべりだした。
「誰でも夢見るだろう
「うん…そうなんだけどね…」
「夢を見るの…空の夢」
観鈴は空を見つめながら話し出した。
「私は高い々空の上にいるの…下を見渡すと一面に雲があるの。
私はそんな空で風を受けてるの。」
「私も翼があれば空を飛べたかもしれない…って思ってるの。」
行人はそんな観鈴を不思議そうに見ていた。
観鈴は立ち上がり…
「もう一人の私がそこにいる…そんな気がしてるの…」
「観鈴…お前…」
観鈴は手を広げて風を受けている…その光景がまるで…
観鈴の目は真っ直ぐ空を見つめていた。
「観鈴…大丈夫か?」
「にはは…」
観鈴は笑っていた。
キーンコーン カーンコーン
ちょうどそのときチャイムが鳴った。
「あっわたし行かなくっちゃ…」
「…ああ…気をつけていって来い。」
「うん…終わったら一緒に遊ぼう。」
「友達と帰遊べ。」
「遊びたいな〜」
観鈴は少し上目使いで行人を見つめた。
「………」
行人は少し悩んだが…
「わかった…」
「やった〜」
「わかったからさっさと行け。」
だが聞こえていなかった。
風が強く…声が聞こえていなかった。
「早く行けー!」
少しして風が止んだ。
「なんていったの?」
「あーなんでもないから、早く行け。」
「う…うん…じゃぁ行ってくるね。」
観鈴は走って学校に入っていった。
途中何も無いところでこけてそのまま涙目のままで学校に入っていった。
行人は観鈴を見送るとその場を後にした。
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