すれちがい…
それはあるもめ事から始まったのだった。
「ねぇエド〜もうちょっとオー機械鎧大切に扱いなさいよね。」
「わかってるよそんなこと。」
「こんなにすぐ壊されたら、あたしもたまらないわよ。」
「だから、悪かったって言ってんだろ。」
エドは半分聞き飽きていた
ウィンリィはそんなエドの態度が余計気にさわるようだった。
(何よまったく、久しぶりに帰ってきてみれば機械鎧めちゃくちゃに壊してきて…)
「ウィンリィまだ終わんねーのかよ。」
(……それにもうすぐ…)
「お〜い…ウィンリィ?」
ウィンリーはエドの声など耳に入ってなかった。
「おい!ウィンリィ!」
「何よ!うるさいわね!」
そういうとウィンリィの手からスパナが投げられた。
「うわっ…あぶねー」
エドは危うくスパナにあたる寸前によけた。
「あぶねなーなにすんだよ!」
エドはいきなりの攻撃に対して少しむっとしていた。
それでもなお、ウィンリィはボーっとしていた。
ウィンリィ無意識のうちに、エドの言葉に反応していたのだ。
「ウィンリィ…?」
「え……なによ…」
やっと聞こえたのか…ウィンリィはかすかに反応した。
「お前今日おかしいぞ…なんか遭ったのか?」
「なんでもないわよ!ほっといてよ」
そういってエドを思いっきり突き放した。
いきなりの攻撃にエドはよけきれず机に頭をぶつけた。
「……っ…てぇ……なにすんだよ!!」
「…………」
それでもなおウィンリィは黙ったままだ。
「ったく…もう少しはおしとやかに慣れねーのかよ!」
その言葉にウィンリィのほうもムカッと来て。
「うるさいわね…あんたに関係ないじゃない!」
「かわいくねー!」
「ほっといてよ!あたしの勝手でしょう!」
そういってウィンリィは近くにあったものをエドめがけて投げた。
「エドのバカ!大っ嫌い!!」
ウィンリィはいきなり家を飛び出して行った。
「おい!ウィンリィー」
「何だよあいつ!」
《俺が何したっていうんだよ。》
エドは床に散らばったものを広い片付けていた。
「ったくよ…ウィンリィのやつもう少し、やさしくなれねぇーのかよ!」
宿の屋上に一つの不思議な少年が立っていた
「あはは…見つけたよ、今度こそ手に入れる…」
少年はそういうと、ふっと姿を消した。
そのころ、宿を出て行ったウィンリィは路地裏を走っていた。
(エドのばか…大バカ野郎!)
ふっと立ち止まった。
(エド忘れちゃったのかな〜)
ウィンリィは、その場に座り込んだ。
(もうすぐ、私の……ううん…もういいや)
そう思いウィンリィは体を抱え込んだ。
そんなウィンリィに近づくひとつの影があった。
その影はウィンリィの前まで来ると。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「…へ…?」
見あると一人の少年がウィンリィを覗き込んでいた。
「お姉ちゃん、先からずっとうずくまってたから、心配しちゃった。」
その少年は、まだあどけなさの残った笑顔を見せた。
少年お服装は、全身が白で統一され前がすべてボタンで留められたワンピースみたいな服装で
下には、黒のスパッツをはいていた。
髪は赤色の入った茶色い色だった。
この国ではなかなか見られない色をしていた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「えっ…うん…大丈夫だよ…」
ウィンリィは、今わ誰とも話したくなく、少年の親切しもうざったく思えていた。
「よかった…でもこんなところで休んでちゃ危ないよ。」
「最近事件が多いんだよ子の町、お姉ちゃんみたいなきれいな人だったらすぐに事件に巻き込まれちゃうよ。」
少年は、ウィンリィの前に座り込んだ。
「ごめんね……今誰とも会いたくないし……誰ともしゃべりたくないの…」
そういってウィンリィは又塞ぎこんでしまった。
「ふ〜ん……だったら誰も来ない静かな場所知ってるから、一緒に来ない?」
「…えっ……」
少年お唐突な質問に唖然してしまった。
「ねっ!ここにいるより断然いいよ、ねっ…いこう」
そういうと少年はウィンリィを立たせた。
はじめは気乗りしなかったウィンリィだったが、少年があまりにも熱心に言うので仕方なく行くことにした。
それに、ここにいても気分が暗くなる一方だったからでもあった。
「そういえば、君の名前聞いてないよね?」
ウィンリィは突然言い出し
「あたしはウィンリィ…君は何っていうの?」
「ボクは…アキだよ…」
-next-
|