迷走
「ったく………ウィンリィのやつどこまで行ったんだよ」
「なんで俺が探しに行かなきゃならねんだよ!」
ぶつぶつ言いながら、エドはアル場所を目指していた。
そうしてある曲がり角を曲がろうとした………
「お兄ちゃんそこどいてどいてどいてーー!」
「ん? げっ!」
勢いよくエドと走ってきた少年はぶつかってしまった。
「った………いって…おい大丈夫か?」
「う〜〜……おもいっきしぶつけたよ〜」
少年は、転けたときにぶつけた場所をなでていた。
「わり…大丈夫か?」
エドは少年の腕をとって立たせた。
少年は、ぶつかった顔をさすりながら、手をとった。
「うみゃ〜大丈夫です」
少年はほわんとした感じに話した。
「どこか痛いとこないか?」
「ぅ〜足が痛いです」
転けて足首をひねってしまったのか、少年の足首が少し腫れていた。
「歩けるか?」
「大丈夫だと思います、ご迷惑を掛けました。」
そういって少年は歩いていこうとしたが………
どてっ…
おもいっきり転けてしまった。
「ぅ〜〜……」
「ったくしょうがねぇな」
そういいエドは少年のもとに駆け寄った。
「ほらよ肩貸してやっから、以降として多所言え。」
「え……で……でも、あなた……急いでるんじゃないんですか?」
少年は不思議な表情をしてエドの方を見上げた。
「一応俺の責任でもあるからな、送っていくよ。」
強制的に性根はエドに連れて行かれることになった。
「それで、行きたいところはどこだよ。」
「えっと……はい…この近くの廃工場です。」
エドは少年に肩を貸して歩き出した。
それが、事の始まりだとも知らずに……
「あはは、ここでいいよ。」
ここは町はずれにある廃工場、いまは使われていないが以前は最も栄えていたのだろう。
所々に、その面影が残されている。
「なんで、こんな所に用があるんだ?」
「ちょっと、やりたいことがあるんだ。」
そういって、少年は倉庫に入っていった。
倉庫の中は古びた機械がたくさん置いてあった。
その奥に一つの扉があった。
「そういえば、お前名前なんって言うんだ?」
「名前………僕の名前はアキだよ。」
「お前見かけない格好してるよな? 髪の色も違。」
一瞬少年の動きが止まった。
「ふふっ………僕この町の人じゃないから、いまは訳があって
この町に来てるんだけどね。」
少年の髪の色は赤みがかった茶色い色をしている、この国では珍しい色だ……
「あはは……結構変わった色してるでしょう。」
そういうと、少年は振り向いた。
どことなく、違和感のある色をしていた。
そういって少年は奥の扉の方に向かった。
「そういえば、ここになんの用があるんだ?」
「もう少しすれば時期にわかるよ………だってお兄ちゃんに用があって
ここに招き入れたんだから。」
そういった直後、少年はエドめがけて何かを射った。
その瞬間、エドの体に何かが走った。
「ぐっ………なんだ……」
「ふふっしびれる? どう、僕の特製しびれ薬効いたみたいだね。」
そういった少年の表情はどことなく、残虐な顔つきだった。
「本当はもっと楽に逝かせてあたかったけど、それじゃ面白くないから。」
そういうと、少年は扉の方に向かっていった。
「そうだ……一つ言っておくね、僕の目的は、お兄ちゃんの命貰うことだから。」
- back -
- next -
|