次に目を開けたら
世界はどうなっているんだろうか
昨日と同じ毎日が待ってるのか…
新しい世界になっているのか…
それは………まだ誰も知れない…
---『苦悩』---
明るい日差しの中目が覚めた…
まだぼんやりとしていたので、ココがどこだか分からないでい
た…
エドはまだくらくらする体を起こした。
《そっか……オレ昨日ソファーで話してて、それでオレ寝かさ
れたんだっけ…》
エドははっきりしない頭をフル回転させ思い出そうとしていた
。
そのとき部屋のドアが開き…
「起きたかね?」
「あ…うん…一応」
そういってベットから立ち上がろうとしたが。
「無理に起きなくてもいい、それにまだ完全に直ってないから
横になっていなさい。」
ロイは起き上がろうとしたエドをベットに戻した。
「もう…大丈夫だって…なんとも無いよ…」
エドは大丈夫だっと言わんばかりににこって笑った。
だがそんな演技にだまされるロイではなかった。
「相変わらずと言うか、君の嘘はすぐにばれてしまう。」
ロイはエドの額に手を当てた。
「まだかなり熱いな…もう少し横になっていなさい。」
「大丈夫だって………こんなの慣れてるから………」
そうは言ってるが、余り顔色はよくない。
「だが顔色がよくない、今日は何も考えずゆっくり休んでなさい。」
「ぅ〜〜………わかったよ」
エドは観念したらしく、ベットに横になった。
「納得してくれてうれしいよ、それでは私は仕事に行くことにする。」
ロイは椅子に掛けていた上着を取り立ち上がった。
「できるだけ早く帰る、それまではおとなしく寝ていなさい。」
「わかったから、早くいけよ無能大佐!」
エドは布団を頭でかぶりそこから手を出してひらひらさせた。
ロイはその行動に少し微笑んで部屋を出て行った。
「ふぁ〜〜………なんか久しぶりによく寝たな………」
エドは昼過ぎに目が覚めた。
どうやら、そのまま眠ってしまったみたいだ。
「いま何時だ………」
そういってエドはベット際の机にある時計を見た。
「げっ……もうこんな時間………」
時計の針は昼の3時を指していた。
まだ頭は少しくらっとくるが、熱の方はほとんど下がっていた。
熱も下がったし、少しおなかがすいたエドは一階に下りていった。
一階に下りると、誰もいないので静まりかえっていた。
「なんか………実際によく見てみると、広い家だよな………」
エドは一階を少し見て回った。
一時間後にはだいたいの部屋の位置関係を覚えていた。
一階は玄関を入ってすぐ左ドアは書庫になっていた。
玄関からそのまま中に入っていくと、暖炉ある部屋になっていた。
その奥がキッチンになっていた。
《何で大佐のやつ一人暮らしなのにこんな広い家に住んでるんだよ………》
半ば呆れていた。
エドはキッチンで立ち止まっていた。
よくわからないが、生活に必要な道具そろっていた。
《大佐ってやっぱし料理とか旨いのかな?》
エドは料理をしている姿のロイを想像してみた。
家に帰ってくるなり、エプロンに身を包んだ大佐がフライパンをもって料理をしている………
考えただけでも面白い………
エドはそんなロイを想像し苦笑していた。
「そういえば大佐っていつ帰ってくんだろう………」
壁に掛かっていた時計を見ると、4時半をすぎていた。
《大佐のやつ昼ためたのかな……》
「………………」
エドは少し黙ったと思ったら。
「ついでに作ってやるか。」
そういってエドは準備を始めた。
外が夕闇に暮れたごろ、やっとロイは中尉の監視から解放され家路につくことができた。
最近仕事をサボってばかりいてので、中尉から仕打ちを受けたのだ。
「しかし10時間デスクワーク……それと最近さぼり過ぎと言われ残業させられるはめになるとは。」
ロイはさっきからため息ばっかりついていた。
【その姿が妙に実際の年齢以上に見える………】
予定の時間よりはかなり遅く家に着いた。
今日何度目かのため息をつくとロイはドアを開けた。
ドアを開けたとたん、暖かい香りが流れ込んできた。
ロイは誰か客着てるのかと思い急いでキッチンに向かった。
そこでロイは見慣れない光景に驚いてしまった。
「…は…………」
【歯?何のことっせ?】
「鋼の…これはいったい。」
キッチンには手に料理の入ったなべを持っているエドがいた。
「よ!大佐お帰り、もうすぐでっきっからちっと待ってて。」
エドが料理するのかかなり驚いたのだろうか。
エドをみたままロイは呆然と立ち尽くしていた。
「そんなとこにボート立ってないでさっさと座れよ!」
そういうとエドは作りあがった料理をテーブルの上に並べていった。
豪華とは言わないが、一般的な料理が並んでいる。
「これ…全部君が作ったのかい…?」
「この家には大佐とオレしかいないだろうが。」
少し呆れた顔で大佐にホークとナイフを渡した。
「君が料理ができるとはね、少々驚かせられたよ。」
【いや………かなり驚いていた気が…】
「さすがにこれぐらいできなきゃ、旅で野宿も多かったからな…」
今までのことを思い出したのか、エドの表情が少しくもった。
「ふふ、それではお言葉に甘えていただくことにする。」
「さっさと食えば、冷めるぞ。」
大佐の一言で、さっきの顔が嘘のようだった。
その日は楽しい夕食の風景だった…
そんな楽しい光景が、崩れる日が来ることがあるとは知るよしも無かった…
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