闇・光
エドはもだえ苦しんでいた。
「……エド…エド…!」
「かばわなければ死なずにすんだのに。」
アキの姿は紛れもない死神の姿だった。
エドは薄れそうな意識を必死にこらえ……
「…何が…あっても…こいつだけは…絶対守んねっといけねんだよ…」
「エド……」
ウィンリィは、自分の手や体に付いた血を見て震えていた。
「その体でそんなこと言えたもんじゃないんじゃないの?」
「俺は…絶対こいつを……死なせるわけにはいかない…必ず俺が守って見せるんだ…」
エドは気力を振り絞り立ち上がった。
そしてエドは両手を合わせ地面に着き……
その瞬間、凄まじいほどの練成反応が置き…
「うわ…」
光が消えると底にはエドとウィンリィの姿は無かった。
「……居ない…逃げられた…」
二人の姿はどこにも無かった。
「いったいどうやって、この建物の中にはあいつらの生命反応は無い、
……まぁいい、いずれまた会うことができる、次はうまくいかないからね。」
そう言うとアキは、闇に消えていった。
『ウィンリィは真っ暗な空間に一人立っていた。』
『周りはどこまでも闇が続いていた。』
『歩くこともできず、ただ立ち止まっているだけしかできなかった。』
『次第に闇は濃さを増してきていた。』
(このまま自分は闇に飲み込まれていくのだろうか。)
『だんだんと心も闇に飲まれて初めていった。』
(もう、どうでも良くなってきちゃった。)
『ウィンリィはあきらめ瞳を閉じかけていた…』
《…リィ……》
『遠くのほうから自分を呼ぶ声が聞こえてきた。』
『その声は懐かしく暖かかった…』
『心の中から暖かくなっていった。』
(……誰…)
『ウィンリィは声のするほうに歩いていった。』
『道は見えないけれども、足が勝手に進んでいく。』
『まるで…誰かに引き寄せられるかのように。』
《ウィンリィ…!》
『声はだんだん大きくなっていった。』
『目の前に光が見えてきた、その瞬間自分は一人じゃないと思った。』
『今誰かが、隣に居てくれている感じがした。』
きっと…きっともう大丈夫だ…
「ウィンリィ…おい、ウィンリィ!」
「エド…」
いつの間にかウィンリィはえっとの上に横たえられていた。
「エド…あたし…ここは…」
「もう大丈夫だぜ…もうあいつは居ないから…ここは俺たちの借りてる宿だよ。」
「アルが今氷持ってくっから、お前はもう少し横になっとけ。」
そういってエドは立ち上がろうとしたウィンリィを、別途に戻した。
エドは、水の入ったコップを差し出した。
「それよりエドは大丈夫なの?」
「へへっ…大丈夫だから…お前は何も心配すんな…」
エドの顔がどんどん引きつっていった。
「エド?同意したの…エド!あんた」
エドの服は血で真っ赤に染まっていた。
「へへっ……さすがにちょっときついな……ごめんな…ウィンリィ…」
そう言うとエドは崩れるように倒れた。
「エド……エド…冗談だよね…ねぇ…」
エドからの返事は無かった。
「エド…ねぇ…おきてよ…ねぇ…エド…エドーー!!」
この後、ウィンリィの悲鳴に駆けつけたアルはエドとウィンリィの姿を見絶句した。
アルの目の前には、血まみれの兄と必死で呼ぶかけているウィンリィの姿だった。
エドはアルの呼んだ救急車で病院に運ばれた。
ウィンリィは、その間すっとまるで人形のように床に座って動かなかった。
エドは運ばれて行き、アルがウィンリィのところに戻ってくると、ウィンリィはいきなり大声を上げて泣き出した。
まるで……壊れたレコードのように何度も誤っていた…
外は雨が降っていた、まるでウィンリィと一緒に泣いているみたいだった。
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