いつまでも、一緒に入れたらいい
そんなことをいつも考えてた
ずっと笑って、怒って、楽しんで
もう…泣かなくていいんだったら
良かったのに…願いは叶いますか?
---『不安』---
ここ6時間紙をペンが走る音が聞こえている。
それもそのはず、ロイは今朝中尉に大量の仕事を押し付けられ、
プラスもし逃げたら、聞いて帰れる保証がないのだった。
やむなくロイは仕事をしている。
「中尉…少しは休憩入れんか………」
6時間、昨日から合わせて16時間のデスクワーク、さすがにロイもばててきていた。
「休憩がとりたいでっでしたら、その書類を片付けてください。」
そういって中尉は腰にさしている銃に触ようとする。
そのそぶりを見てロイは一目散に仕事に戻った。
やはり中尉には誰も逆らえない。
その頃、お昼過ぎになって目を覚ましたエド。
「何か最近良く寝てる気がする…」
大きな欠伸をしながら立ち上がった。
「何か昨日とあんまし変わりばえないよな。」
つくづくそう思う。
「起きちまったし、眠くないし。」
エドは暇になり一階に降りて言った。
一階は昨日と変わらずシーンとしていた。
エドはまた一回をうろうろして回った。
「退屈だな〜外にでも行きてー。」
ロイから絶対安静にしていろって言われているせいで、エドは家から出してもらえなかった。
《ったくあいつも過保護性があるんじゃねーか、もう大丈夫だっていってんのに。》
ロイの悪口をぶつぶつ言いながら、エドは暖炉のある部屋まで来た。
エドはなんか本とかないかきょろきょろして回り机の上に目が行った。
机の上には、封筒が乗せられていた。
エドは資料と思いその封筒を開けてみた。
だが中に入っていたのは……
「なんだこれ…極秘調査報告書?」
エドはふっと朝のロイの言ったことを思い出した。
『今日は会議があっって少し帰りが遅くなるが、ちゃんと寝ているように!』
《そういえばそんなこと言ってたっけ。》
「つってことはこれって、会議に必要なんじゃねーのか!」
《まったく何やってんだよ…》
時計を見ると4時半を指していた。
《今から持っていけば間に合うかな?》
少し考え込んだがすぐに表情が変わり。
「しゃーね、もって行ってやっか。」
そういうとエドは二階にコートを取りに行き、封筒を持って家を出た。
「大佐今日の会議はちゃんと出てください。」
大佐は大量の書類と格闘しながら中尉の行っていることに耳を貸していた。
ロイはふっと手を止めあることに思い出した。
「………忘れていた……」
「そんなこと言っても会議には出てもらいます。」
すぐさま中尉の鋭い言葉がはいってきた。
「ち…ちがう…そうではなくて。」
ロイはかなり慌てていた。
「いったい何を忘れになったんですか。」
あまりにも大佐の慌て方が異常だったので、中尉は作業を中断した。
ロイの顔がだんだんと青ざめていった。
「しまった……会議に使う書類を家に忘れてしまった。」
その場が一時シーンとなった。
「取りに帰る時間もない……仕方ない…ココは…」
ロイは逃げる準備をした。
その行動にいち早く察知した中尉が、ロイの頭に銃を押し付けた。
「それでも会議に出てもらいます。」
中尉の顔を見ると笑っていた。
正確に言うと目が笑っていなかった。
ロイは観念したらく、頭をがっくりとたれた。
「しかし…書類なしの会議はつらいのだが…」
一応反論してみたが。
「お忘れになった大佐が悪いんです、口を動かす暇がおありならば手を動かしてください。」
ロイがなんと言おうと中尉は引こうとしなかった。
やむなく会議に行こうと席を立った瞬間。
誰かがドアをノックする音が響いた。
「あら?この時間に誰かしら。」
中尉は確かめるためにドアに向かった。
「あらエドワード君、良くここまでこれたわね。」
「まぁね…それより大佐いる?」
「いるわよ、だけど今からちょうど会議があるみたいだから話してる時間はあまり取れないけれど。」
そういっているとロイはドアに近づいてきた。
「鋼のいったい何しに来たんだ。」
そういってロイはエドの手を取って中に引き入れた。
「痛いってば…離せよ!」
「家で寝ていろと言っただろう、なぜここに着たんだ!」
ロイは少し怒っているようだ。
「いい加減離せ…痛いって言ってるだろ!」
ロイはやっとのことエドの手首を離した。
エドは痛めた手首をさすりながら…
「ほらこれ!あんた家に忘れて言っただろう!」
エドはコートのしたから封筒を出した。
「これは…会議に使う書類…」
エドは呆れた顔で。
「こんな大事なもん家に忘れるなよ!」
そう言うとロイに封筒を渡した。
ロイは封筒を受け取ると少し固まって…
「これを届けにわざわざ来たのか…」
ロイは唖然とエドを見つめていた。
「これも渡したし…オレ帰るよ。」
エドはそういって帰ろうと振り向いた。
「ち…ちょっと待ちたまえ…」
ロイは帰ろうとするエドの方をつかみ止めようとした…
その手はエドに届くことはなかった…
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