ある夏の一日・前編
「さて本編も始まりました!」
「早速始まった訳ですけども、実際にこれって何をやるの?」
「それはもちろん……わからん」
しばし沈黙…している二人に一枚の紙が渡された。
「なにこれ?」
紙にはこのようなことが書かれていた。
「『ひとまず、一人々の今年の夏、何をしてきたか調査せよ。』だとさ」
「…とりあえず、行くとするか…」
「まずは誰にする?」
「やっぱりここは身近なやつがいいと思うけど…」
となると、やっぱりひとりしかいないよね。
「二人とも、さっきからこそこそなにやってるの?」
うわさをすれば影ってこういうことなんだろうか…。
「「うわ!!」」
現れた張本人とは…。
「どうしたの?兄さんもウィンリィも?なにやってるの?」
皆さんご存知のとおり、アルフォンス・エルリックその人だった。
(や…やばい…ばれる…)
なお、先の紙にはまだ続きがあったのだった。
その手紙によると…『調査をする人にけしてばれたりしてはいけない。』
(どうすんのよエド)
《んなこと言われても…仕方ないここはばれないようにかれるだけやる。》
(大丈夫かな…ああ見えてもアルってかなり勘がいいのよね〜)
「ねぇウィンリィなにさっきから兄さんと話してなの?」
「あははっ…なんでも無いわよ何でも…」
「そ…そうだよアル別に俺たち何も話してないけど…」
いかにも怪しいそぶりだよ…
「ほんとに…」
これで、配送ですって信じる人もいないって。
「…本当だって…そうだアル、今年の夏に何か思い出に残ったことあった?」
苦しい…もの凄く苦しい…大丈夫なのか?
「ふ〜ん…ろくに無かったけど…あ!そうだ、あの出来事は結構印象ぶかっかったよ。」
「それってどんなこと?」
「実はね…」
≪あるの回想モード≫
「兄さんとウィンリィと一緒にセントラルに居たときのことなんだけどね。」
「その日はね兄さんもウィンリィもいなかったかららボク一日中退屈で、お昼にふらりと外に出かけたんだよね。」
「路地を歩いてるときに、道の真ん中にシマ柄の子猫がいたの。」
「ボクが猫好きなの二人とも知ってるよね。」
「「うん」」
「その子猫とてもかわいくって、なでるとゴロゴロ言ってたの、だからつれて帰ろうかと思ったの。」
「そんなのいつものことだろう。」
「でもね何かいつもと違うんだよその子猫。」
化け猫かい?
「違うって?」
「なんだかね、その子猫いきなり走りだしんだけどね、もちろん僕追いかけたよ。
「追っかけてる間に、見失いそうになりかるとその子猫立ち止まるの。」
「それで、広い通りに出たとたん、子猫見失ったちゃったんだよ。」
ただの気まぐれだって…。
「その後来た道を何度も探したんだけど、結局子猫見つからなかったんだよ。
「これでおしまい?」
「うん、おしまい、なんだったんだろう今でも気になってしょうがないんだよ。」
「ただの気まぐれか何かじゃねぇの。」
「そうかな?」
《まぁこれでアルは終わりだな、最後までばれなくて良かったぜ…》
「ところで話は戻るけど、さっきから何してたの?」
「…えっと…その……」
(そうしようエド…)
《やっぱアレしかないだろう……逃げるが勝ち!!》
二人とも全速力で、走っていったよ。って言うかなんで勝ちなの?
「ちょ…ちょっと兄さん!ウィンリィまで、まったく」
何とか無事に調査できたのはいいがこの先思い遣られるよ。
とまぁ〜こんな感じで続いていくのだろう。
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